2016年3月16日
コラム
あの東日本大震災と福島第一原発事故から5年がたちました。しかし、原発事故の収束は見通せず、福島県民のくらしと生業の立て直しはすすんでいません。原発の再稼働など到底許せません。
私は、2月22日、鹿児島県の川内原発を視察しました。動いている原発を視察するのは2012年1月の柏崎刈羽原発以来です。やはり動いている原発は違います。「ゴゴゴゴゴッ」というタービンの激しい振動、その横を歩いた時に感じる摩擦熱。このものすごい放射能エネルギーが放出されたらどうなるのか?とゾッとしました。原子炉等を冷やすためのポンプ室も視察しました。その部屋に入ると、今度はひんやりとして「サラサラサラ」という音がする。「何の音ですか?」と聞くと「水が循環する音です」。“ゴゴゴゴゴ”と“サラサラサラ”。原発という装置が本当に危うい均衡の上に動いていることを実感しました。しかも、その2日前の2月20日には、高浜原発4号機で一次系機器から水が漏れる事故が起きたのです。ポンプ室でそのことを思い出し、再びゾッとしました。
3月9日には、大津地裁が高浜原発3,4号機の運転停止を命じる画期的な仮処分決定を下しました。この決定は、原発事故の原因が究明されていないもとでつくられた新規制基準は不十分だとずばり指摘しています。これは、新規制基準に適合したことだけを根拠としている安倍政権の原発政策の根本的な見直しを迫るものです。この決定も力にさらにたたかいを広げましょう!