経産委員会で関電社長に質問
経産委で質問。
まずは、森本関電社長(写真)に質問しました。
関電改革の本丸・原子力事業本部をどうするのか?
関電の業務改善計画では、本部長代理を置き、牽制するというが、「牽制」で改革になるのか?
しかも本部長の部下の「代理」で全くやる気なし。
さらに、経産大臣にも質問。
経産省が関電への業務改善命令の瑕疵を隠蔽し、別の命令を偽造した問題です。
実は私は当事者。私は3月16日にこの問題の資料を文書で請求しましたが、経産省は3月26日に瑕疵を認識したという?ありえない!
あったことをなかったことに。森友問題や桜を見る会と同じ(怒)!
引き続き追及します!!
- 会議録 -
○ 富田委員長 次に、藤野保史君。
○ 藤野委員 日本共産党の藤野保史です。
きょうは、経産委員会での質問の機会をいただきました。富田委員長を始め理事、委員の皆様に感謝を申し上げます。
先ほど来、業務改善命令にかかわる経産省の隠蔽、改ざん問題が取り上げられております。実は私、これは当事者でありまして、といいますのも、私、三月十六日に、この問題についてペーパーで同じ資料を要求しているんですね。
今回、三月二十六日、この秘書課の文書によりますと、いろいろあるけれども、三月二十六日木曜日に外部からの情報公開請求があり、不適切な点があったことを把握したと。三月二十六日になっているんですが、私どもは、ペーパーで、三月十六日、十日前に要求し、既にこの委員会はいつ持たれるかという状況でしたから、再三にわたって、どうなったんですか、どうなったんですかと、レクもやって、督促といいますか、資料を求めておりました。いまだにこれは出てきていないわけですね。しかも、三回目のレクのときなんかは、そんなものを求めてどうなるんですかと、そんなことまでこっちに言ってくる状況だったわけであります。
つまり、これは、経産省内部の問題だけではなくて、国会が求めた資料に対して、これがまだ出てきていないという問題なんですね。しかも、この命令に関する文書の中には、国会から求めがあったということは一言も出てこないんですね。三月二十六日に初めて知ったかのような書きぶりになっております。
私、これは非常に重大だと思っておりまして、なぜ国会からの問合せを隠すのか。三月十六日に、そういう同じ、この命令にかかわる事実関係を裏づけるものを出してくださいと言っているのを、なぜ十六日の分は全く隠して、二十六日になっているのか。これは一体誰の指示なんですか。大臣の御指示ですか。
○ 梶山国務大臣 国会からの資料要求は、今まで、私、存じ上げませんでした。
先ほど来説明はしているので、一連の話については、そのプレスリリースも含めて御承知のこととは思いますけれども、大変重大なことであると思っておりますし、不適切な手続であったと思っております。
まず、自分自身、先ほどから申し上げておりますが、恥ずかしい限りでありまして、また、皆様におわびをしなくちゃならないと思っていますし、手続は重要だということを口を酸っぱくして言ってきたつもりでありますので、こういうことが二度と起こらないような努力をしてまいりたいと思っております。
○ 藤野委員 いや、大臣、恥ずかしいというのは、それは省内の問題だったらそういうあれでもあるかもしれませんが、国会との関係なんです。恥ずかしいとかそういうレベルではなくて、まさに森友問題、桜を見る会問題じゃないですけれども、行政と国会との問題が問われているわけですから、これはもうはっきり言って、与野党を超えた問題と私は思います。
ですから、委員長にお諮りしたいんですが、私どもが十六日、何回も求めた資料は今に至るまで出てきておりません。ですから、それの資料を出した上で、改めて集中審議を求めたいと思います。
○ 富田委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。
○ 藤野委員 その上で質疑に入っていきたいと思うんですが。先ほど来、今回、第三者委員会の報告書、さまざまな新しい事実、出てきていると思います。ただ、やはりまだ、先ほど川内委員からうみを出し切ったとは言えないという指摘もありましたし、同様の指摘が相次いでおりました。何より報告書自身が、十九ページでみずから限界を認めているということであります。対象となる人だとか時期だとか事柄だとか、やはりさらなる調査が必要だと思うんですね。
きょうは、私、その一部をちょっと質問したいと思います。とりわけ、但木委員長とか大臣では答えられない、やはり、関電の社長でいらっしゃる森本社長で答えていただけるような質問をさせていただきたいと思っております。
配付資料の一を見ていただきたいんですが、これは、高浜原発と大飯原発の中間にあります青戸入江という入り江なんです。その入り江の公有水面、海ですから公有水面がありまして、その埋立てをめぐって高浜原発の建設と同じ時期に、一号機、二号機、三号機、四号機、ずっとここがどんどんどんどんどんどん埋め立てられていくわけであります。
公有水面というのは国民共有の財産でありまして、ですから、この公有水面を埋立てしますよとか、あるいは用途を変更しますよというのは、国なり県なりの許可が必要になってまいります。とりわけ用途変更というのは、転売による利権のおそれがあると政府も指摘している問題があります。
配付資料の二を見ていただきますと、その埋立ての所有権の移転の状況であります。
この赤とか青というのは、この一枚目の赤と青と対応させているんですけれども、例えば一番上の安土二という地番は、埋立てを申請したのは若狭開発株式会社、開発時の所有者は福放、これは福井放送のことなんですね。ただ、これは、会社は違うけれども、代表は同じ加藤尚さんという方です。その後、関電に売却される。安土の三も安土の四も、基本的には同じ構図なんですね。
そのうち、ちょっと配付資料の三を見ていただきますと、この青の部分についての当時の埋立免許申請書を御紹介しております。一九七〇年九月二十八日、若狭開発株式会社の加藤尚代表取締役が、当時の福井県知事、中川平太夫氏に提出した申請書であります。
ここの右側に「埋立の目的」というのがあると思うんです。「埋立の目的」というのが、「観光産業及工業の振興発展の為め」とあるんですね。
ところが、この配付資料の二にありますように、これはもう関電のものになっておりまして、実際にそこへ行きますと、観光産業でも工業でもない、電気事業、特に原発に関連するさまざまな施設、高浜原発で働く社員寮だとか社宅だとか、関電プラントの原子力研修センターとか、こういうものが建っております。
配付資料の四を見ていただきますと、まさにこの赤とか青の地域に建っている社宅とか独身寮とか、そういったものを吉田開発が受注しているという状況であります。
これは、報告書の百五十六ページに金品提供と工事発注の関連性が疑われると指摘されたものがまさにこの関電不動産開発と吉田開発の取引なんですが、まさにその舞台はここなんですね。
社長にお聞きしたいんですが、その資料の三にありますように、目的は、若狭開発が、埋め立てさせてください、今度、公有水面、国民共有の財産を埋め立てたいんですという目的は、観光産業及び工業の発展なんですね。それで免許を得たんですけれども、ところが実際には、電気事業である、とりわけ原発関連施設ばかりが建っている。これは何で目的と違うものが建っているんでしょうか。
○ 森本参考人 お答えいたします。
安土の二、三、四の土地につきましては、弊社の社宅を建設するための用地として購入したものでございます。
土地取得につきましては、高浜町及び関係者との間で協議をして売買契約を締結した上で登記を行っており、土地取得の手続に問題はないと考えております。
○ 藤野委員 いや、私は、手続は、確かにもう調べた範囲では所有権を移転されております。売買契約もあります。ただ、もともと社宅のためにやるんだったら、関電さんが埋立てを申請して、それで建てられればいいのに、わざわざこの福放という会社、加藤さんの会社を挟んでいるわけですね。何でこんな必要があったのか。
この関電に売却した加藤尚というのは大変興味深い方でいらっしゃって、「二十世紀ふくい群像」という本によりますと、でっち奉公から大富豪になった。織物工場をもとに一代で財をなした。東京の一等地に土地を持っていて、終戦直後には、全国の長者番付、かつて発表されておりましたが、これで日本一になったこともある方なんですね。福井放送社長、福放というのは福井放送なんですが、そういうテレビとかラジオの社長としてもまさに一時代を築いた方であります。
ただ一方、その伝記、伝記というか本によると、福井の妖怪だとか怪物だとか、常に虚実が渦巻いた人物だったとも書かれております。
配付資料の五を見ていただきますと、加藤尚伝刊行会という委員会がつくった「評伝加藤尚 一念不動」という本がありまして、この後ろの方に、米寿を祝う会というのが開かれております。開会の辞は福井銀行頭取で、発起人代表挨拶は福井県知事。だあっといって、祝電が、内閣総理大臣中曽根康弘、郵政大臣、大蔵大臣、外務大臣は安倍晋太郎さんです、自民党最高顧問は元総理大臣福田赳夫さん、日本民間放送連盟会長とか読売新聞社社長とか朝日新聞社社長とか、つまり、そうそうたるメンバーが勢ぞろいしているわけであります。
森本社長にお聞きしたいんですが、こういう方が介在されているんです。国民共有の財産である埋立地が次々と関電のものになっていったプロセスにこういう方が関与している。関電と加藤尚さんはどのような関係だったんでしょうか。
○ 森本参考人 お答えいたします。
調べた限りにおきまして、弊社と加藤尚氏との関係については確認できませんでした。
○ 藤野委員 それはおかしいと思うんですね。私どもは外部の人間ですから、登記簿を調べたり公開されているものでしか調べられないんですが、社長はやはり社長ですから、わかるんじゃないかと思うんですね。
例えば、その一方当事者である加藤尚さんのこの評伝、同じ本ですけれども、二百五十四ページにこういう記述があるんですね。彼は、彼はというのは加藤さんですけれども、彼はこの原発の設置によって今まで全くの過疎地であった地方に道路がつくられていくことを知った、高浜青戸入江に八万八千平米の土地を造成、ここに観光施設をつくり、行く行くはその一部を原発の建設用地に譲渡するつもりであったと。
二百五十五ページにはこう書いてあります。若狭高浜の海岸へ行ったとき、漁師風の老人が私に、福井に加藤尚さんという人がおりますかと問われたので、福井放送の社長さんですよと答えると、その老人は、その方がこのあたりの広い入り江を買収されたのですが一体何にするのでしょうねと不思議顔をしたことが忘れられません、その後、この青戸入江を埋め立て、やがて青戸園が建ち関西電力の社員住宅街ができ上がっていったのですが、常に十年、二十年先を考えておられる方だとその洞察力に感心いたしました、これが高浜地方開発の発端となった、そして原子力発電所の計画が表面化してきたのはそれから間もないことであったと。
ですから、関電さんは知らないとおっしゃいますけれども、そのカウンターパートというか、一方当事者の加藤さんの伝記にもうリアルに書かれているんですね。要するに、行く行くはとか間もないとか、初めから関電の原発のためにというふうに書かれているわけです。埋立てはそのためでしたと、そういう非常に洞察力があったと書かれている。ですから、関電と加藤尚さんがタッグを組んで推進していた、これが実態だというふうに思うんですね。ぜひこれを調べていただきたいと思うんです。
今のは高浜原発一、二号機をめぐる動きなんですが、三、四号機でも社長にお聞きしたいことがあるんです。ここで登場するのが森山元助役なんですね。
配付資料の二に戻っていただきますと、その一番下の、オレンジで囲んである水明という公有水面埋立地ですが、これは加藤尚さんではなくて初めから高浜町が所有者なんです。というか、埋め立てたいですと申請し、やったのは高浜町なんですね。埋め立てたいですと言った理由は何かというと、運動公園とかそういう住民の憩いのための広場を建設するためだといって、当時の県知事にこの水明の土地を埋め立てさせてくださいと申請しました。それで許可がおりました。ところが、許可がおりたら、間もなく、更にこの用途変更を高浜町が申請するわけです。
配付資料の六を見ていただきますと、その申請書になるんですが、右側に、変更前というところで、先ほど申し上げた運動場の用地が一・六ヘクタールとか緑地が二・四とかあると思うんですが、変更後は、それらがなくなったり物すごくちっちゃくなって、原子力保修訓練センター用地というのが最大の目的になります。下の方にありますけれども、何で変更するかというところに出てくるのは、原子力は国策だからだということなんですね。国策に協力するために、住民憩いの運動公園や緑地を原発の研修センターに変えますとあるんです。これは、高浜町はこういう申請を出しているんですけれども、何でこうなったのかがよくわからないんです。
社長にお聞きしますが、何でこういう変更が起きたのか、これは関電から高浜町に要請したということですか。
○ 森本参考人 お答えいたします。
土地取得につきましては、高浜町との間で協議し、適切に実施してきたものと考えております。水明の土地につきましては、弊社の教育施設を建設するための用地として購入したものでございます。
○ 藤野委員 全くお答えにならないんですが。
これは森山氏がかかわっていまして、議会でも、浜田倫三町長という方がいらっしゃるんですが、この方がわざわざ森山助役に答えさせますと言って答えさせているんです。ですから、この取引を実質的に仕切っていたのはまさに森山助役なんです。ですから、何が起きたのか、これは本当に問題だと思うんですね。
配付資料の七を見ていただきますと、高浜町と関電の売買契約書です、このときの。この売買金額は、一平米当たり一万七千九百円で、総額四億一千百七十万円になっております。
社長にお聞きしたいんですが、今適正に行われたとおっしゃった売買、四億一千百七十万、土地の対価は支払われているはずなんですね。ところが、その前後、資料の八を見ていただきますと、この取引が一九八二年なんですけれども、その前後、関電から高浜町に対して寄附金が急増しております。集中していると言ってもいい。一体何でこんなものが必要なのか、売買代金、対価は払われているのに、これは何のための寄附だったんでしょうか、社長。
○ 森本参考人 お答えいたします。
今回の第三者委員会の報告書記載以外の実績につきましては、相手方との関係もございますので、まことに申しわけございませんが、御容赦いただきたいと思います。
寄附金、協力金につきましては、個別の案件ごとに必要性を十分吟味して慎重に判断した上で支出を行っております。
御指摘の関係の部分の土地につきましては、高浜町との間で協議し、適切に実施してきたものと考えております。
○ 藤野委員 これも本当に、関電社長であれば答えられる。私は、何のためかというのは、やはり、わかるところとわからないところがあります。ですから、ここはやはりしっかり調べていただく必要があると思うんですね。加えて、やはり国会としても独自に調べる必要があると思うんです。
委員長にお諮りしたいんですが、報告書を読みますと、例えば六十八ページには、一九七五年から七七年における「関西電力と福井県や高浜町との打合せ内容を記載した「高浜原子力発電所増設の経緯について(地元対策)」と題する資料」、「地元対策経緯資料」というのがあるんですね。こういうのが結構たくさんあるんです。ですから、ぜひ当委員会に、関連資料といいますか、ここまで具体的にこういうのがあるよと言われているわけですから、ぜひ提出を求めたいと思います。
○ 鈴木(淳)委員長代理 後刻、理事会で協議します。
○ 藤野委員 やはり今回、まだまだ解明されていないという思いを新たにいたしました、強くいたしました。
残りの時間で、業務改善計画についてお聞きしたいと思います。
私は、実は、原子力事業本部にどういうメスが入るのかなということを注目しておりました。といいますのも、やはり森山氏との金品授受もこの事業本部の関係者が金額的には大宗を占めるわけですし、但木委員長も、三月十四日の記者会見で、独立王国みたいになっちゃっていたとか、非常に大きな病根だという言い方も、但木委員長自身がされております。まさに事業本部こそ、経営改革というなら本丸であるというふうに思っております。
ところが、配付資料の九を見ていただきますと、これは事業改善計画なんですけれども、その原子力事業本部のところに何と書いてあるか。こう書いてあるんですね。「原子力事業本部に対する牽制と支援の強化」とあります。私は、もう一回見た、二度見しましたけれども、牽制と。いわゆる業務改善計画には全くなじまないといいますか、牽制というのは何なんだと。メスを入れますよではないんですね。何か、本体はそのままで強力だから、ちょっと何か牽制するみたいな、非常に関電の腰の引けた姿勢をあらわす言葉だなと思っております。
しかも、その中身が、下にありますように、本部長代理を設置して、それが何かコンプライアンス委員会や取締役会長に報告を行うという、はっきり言ってそれだけなんです。
先ほど森本社長は、本部長に次ぐ方をこのコンプライアンス室にというふうに答弁されましたが、まさにそうで、代理というのが本部長の下にあるんですね。こんな役職を設けて、しかも牽制させる、これで原子力事業本部に全くメスは入らないのじゃないかと思うんですね。
もう一つ、社長からの答弁で私が驚いたのは、豊松氏をフェローとして月四百九十万円も報酬を出している理由について、今後も原子力事業で重要な役割を果たしてもらうためというふうにおっしゃったと思うんですが、社長、この判断、豊松氏を今後も原子力事業で重要な役割を果たしてもらう、このためにフェローに据えた判断、これは今でも正しかったとお思いですか。
○ 森本参考人 お答え申し上げます。
最初に、コンプライアンス担当本部長代理の御質問をいただきました。
本部長代理は、執行の外にあり、コンプライアンス委員会及び取締役会会長に対して直接報告する立場にありますことから、御指摘のような懸念はなく、しっかり果たしていけるものと考えております。
原子力事業本部の中に設置した意図は、実態を把握した上で、より効果的な対策を打てると考えたものでございます。
さらに、監査委員会、これは六月総会決議以降、指名等委員会になってからつくられますが、この監査委員会スタッフとして本部に常駐する監査特命役員も設置いたしますので、執行から独立した客観的な視点からの原子力事業本部への監督、監査の機能は十分に強化されるものと考えております。(藤野委員「豊松氏について」と呼ぶ)はい。
二点目につきましては、当時の立場で判断した状況のもと、これを仮定をもって私がここで述べるわけにはいきませんが、こういった事態を経験した今、このようなことは今後とも起こらないようにしていくために、実際に委嘱する必要性があるかどうか、それから、委嘱するに対しての報酬がどうかということを、外部の取締役もしっかり入った委員会で評価し、取締役会で決定していく、そういうプロセスをしっかり踏むことが大事だと思っておりますし、今後、そういった外部の目線それから評価をしっかり取り入れていただけるように取り組んでまいりたいと思っております。
○ 藤野委員 端的にお答えいただきたいんですが、要するに、豊松氏をそういう位置につけたということは、今の社長から見て、よいことなのか悪いことなのかということなんです。
○ 森本参考人 当時の状況、私は判断しておりませんので、この場での回答は控えさせていただきます。
○ 藤野委員 要するに、そういう社風というか、これがいかに問題になっているかということも、ある意味、おわかりになっているのかなと。しかも、この豊松さんというのは原子力本部長を長く務められた方なんですね。まさに内藤千百里さん以降最大の実力者だったとまで言われている。原子力事業本部にそういう方がいるというのは、関電社員全部知っているわけですよね。そこの本部長だった人がそういう扱いを受けて、今度また本部長代理なる役職を置いて、その人が幾らコンプライアンス、コンプライアンスと言っても、トップが原子力本部なり本部長をどう扱っているかということを抜きに、成り立たないと思うんです。
もう一つお聞きしたいのは、この業務改善計画の中で、調達等審査委員会というのが新設されると聞いております。これはいわば、工事の発注、契約及び、そして先ほど言った寄附金、協力金の全件を、全てを調査するということを伺っております。いわば鍵を握る組織だと思うんですが、他方、業務改善計画九ページにあるガバナンス体制のイメージ図を見ますと、この調達等審査委員会は出てこないんですが、これはどういう位置づけになるんでしょうか。
○ 森本参考人 調達等審査委員会は、発注、契約等において、ルールに基づいて適切に執行されているのかの審査を工事の発注契約等の全件について毎月行うことから、社長以下執行側の機関として設置するものでございます。構成員は、弁護士の方、公認会計士の方等、複数の有識者を社外委員として活用することで、客観性を確保してまいります。また、審査内容については、ともに社外の人材が委員長を務めるコンプライアンス委員会及び取締役会に報告し、指導、助言、監督を受けることとしており、複眼的に客観性を確保することを考えております。
なお、指名委員会等設置会社の移行に伴う法定の三つの委員会が指名、報酬、監査の委員会ですので、機構としてはそういう絵になってはございます。
これに加えて、私たちは、コンプライアンス委員会につきましても取締役会直下に委員会をつくってまいります。
この調達審査委員会というのは、先ほど申し上げましたように、執行側できちっと発注、契約をルールに基づいて適切に行っていく、これを十分評価していく、そういう委員会でございます。
○ 藤野委員 私がお聞きしたのは、この九ページの図に、この調達等審査委員会は出てこない。これがいわゆるどこにぶら下がるかによって、本当に独立して全件チェックできるのかということなので、どこにぶら下がるんでしょうか。
○ 森本参考人 この調達等審査委員会は、執行側の社長の中で直結する委員会でございます。ここが工事発注をする部門等の指導、審査を行い、コンプライアンス委員会の指導、助言、監督をいただきながら、調達審査委員会の目的に沿った活動をしてまいります。
○ 藤野委員 要するに社長の下にぶら下がるということで、これは本当に、何というんですかね。
ちょっと大臣にお聞きしたいんですが、そういう計画なんです。これを大臣として、経産省としてよしとしたのかということなんですね。
先ほど言ったように、原子力事業本部を牽制する、しかもそれを担うのが本部長代理ということですし、調達等審査委員会、私も、これは全件やるということですから、どういう組織になるのかなと注目していたんですが、今の御答弁だと、社長の下にぶら下がるということでありまして、これは大臣、進捗をこれから見守っていくというよりも、むしろ、これで本当にメスが入るのかという、中身が問題ではないか、不十分じゃないかと思うんですが、いかがですか。
○ 梶山国務大臣 こちらから業務改善命令で指摘した件について回答があったわけでありますけれども、所期の機能をしっかりと発揮していただきたい、こちらが思った機能を発揮していただきたいと思うとともに、やはり外形的な部分でもどう思うかということも重要だと思いますので、組織図であるとか言葉遣いであるとか、そういったことも含めて、六月までも含めて見た上で、また私どもで指導をしてまいりたいと思っております。
○ 藤野委員 終わりますけれども、本当に、引き続き、関電に来ていただいたりあるいは但木委員長に来ていただいての集中審議を求めて、質問を終わります。
会議録 PDF
20200403_keisaniinkai_Fujino_kaigiroku
質疑資料 PDF
20200403_keisaniinkai_Fujino_shiryo
しんぶん赤旗 2020年4月5日 2面記事 PDF
しんぶん赤旗 2020年4月14日 5面記事 PDF
作成者 : fujinoyasufumi