第2次補正予算案 代表質問
衆院本会議で第2次補正予算案について、代表質問に立ちました。
安倍総理は、他の質問者と異なり私への答弁の時だけ、冒頭の「藤野委員の質問に答えます」という枕詞を言いませんでした。
よほど私の質問が気に入らなかったのでしょうか。些細なことですが安倍総理らしいと感じました。
その後の答弁も質問に真摯に答えるものではありませんでした。
明日から予算委員会。
明後日は志位委員長の質問です。理事対応も頑張ります!
- 会議録 -
○ 議長 藤野保史君。
○ 藤野保史君 私は、日本共産党を代表して、第二次補正予算案について質問します。(拍手)
本案の最大の問題は、十兆円の予備費です。安倍総理は、憲法が定める財政民主主義を一体どう捉えているのですか。
日本国憲法は、財政支出の決定権を持つのは国民の代表である国会であり、政府が好き勝手に予算を使ってはならないという大原則を定め、例外を厳しく制限しています。十兆円もの予備費は、この憲法が定める財政民主主義の大原則を踏みにじるものではありませんか。
既に、当初予算で五千億円、第一次補正でも一兆五千億円の予備費が計上されており、一部執行されましたが、まだ一次補正の予備費を超える約一兆六千億円が残っています。新たに十兆円もの予備費を組む必要はありません。
政府は、財政演説で、このうち五兆円について、雇用調整助成金など雇用維持や生活支援のために一兆円、持続化給付金など事業継続のために二兆円、医療体制の強化等のために二兆円など、使途の大枠を示しました。政府も二次補正では足りない部分があると認めたことになります。そうであるならば、本予算案を修正して、明確に二次補正に盛り込むべきではありませんか。
また、残る五兆円についても、財政演説では、長期にわたるコロナ対策に使う旨が述べられました。そうであれば、速やかに第三次補正予算を編成し、国会で審議すべきではありませんか。
結局、そうしたことを行わず、十兆円の予備費を計上するというのは、お金は好き勝手に使いたいが、野党に追及される国会は開きたくないという政府の身勝手な都合によるものではありませんか。
当初予算の予備費を使って国民が求めていないアベノマスクをばらまき、いまだに反省もしていない安倍政権に十兆円の予備費を委ねるなど、到底できる話ではありません。
そもそも、安倍政権の新型コロナへの対応は、最初から極めて不十分でした。
野党は、当初予算の段階から、新型コロナに対応するための予算組み替えを強く主張していました。ところが、安倍政権はこれに応じず、当初予算はコロナ対策費ゼロという異常なものになりました。
四月末の第一次補正は、国民の声に押されて、一旦決定した予算を組み直して、一人十万円の特別給付金を盛り込んだものの、我々野党が求めた他の多くの施策は取り入れられませんでした。
第一次補正に基づく特別給付金、持続化給付金、雇用調整助成金の支給は、おくれにおくれています。
このもとで、既に、六百万人近い労働者が休業に追い込まれ、百万人近くの非正規労働者が仕事を失っています。今後も、大規模な解雇、雇いどめや中小・小規模事業者の倒産、廃業など、いわゆる六月危機が予想されています。安倍総理には、当初予算や一次補正が全く事態に見合ったものでなかったという反省はあるのでしょうか。
国民の声と野党の論戦に押されて、第二次補正予算案には一定の支援策が含まれています。しかし、その内容は、国民の暮らしや医療などの現場が求める水準とはかけ離れています。
野党が一致して求めた家賃補助制度は、五月以降に売上げが減少した事業者が対象です。既に三月から固定費負担や売上げ減少で苦しんでいる多くの事業者を冷たく切り捨てるのはなぜですか。
五人に一人の学生が退学を検討という衝撃の事態が広がっているにもかかわらず、本案の学生支援給付金の対象は、全学生のわずか一割にすぎません。
一人親家庭、ネットカフェ難民、児童虐待やDV被害者、外国人など、生活困窮者への緊急支援を抜本的に拡充すべきです。
医療機関への支援は、当初予算でも一次補正でも、全く足りていませんでした。
十八道県の知事は、緊急提言で、PCR検査を現在の約二万件から約二十万件に引き上げることを提案し、そのための予算として約三千億円が必要としています。ところが、本案のPCR検査体制の整備費は三百六十六億円にすぎません。これでは感染の第二波を把握するには不十分ではありませんか。
コロナを受け入れている全国八十の病院では、年間五千億円もの赤字となっています。コロナを受け入れていない病院でも、大規模な受診抑制により九割以上が収入減となるなど、経営危機が深刻化しています。
政府の支援不足によって生まれた経営危機によって医療崩壊が引き起こされることなど、絶対にあってはなりません。医療機関の減収補填のための財政支援を抜本的に拡充すべきです。
安倍総理は、二つの補正予算を世界最大級と自画自賛していますが、この間、重大な問題が明らかになっています。
持続化給付金事業で、経産省と電通が一体となり、不正に利益を得ていたという疑惑です。この制度は、政府の自粛要請に協力し、生きるか死ぬかという必死の思いで頑張っている事業者を救うための制度です。そういう制度まで経産省みずからが利権化し、一部企業の食い物にするなど、断じて許されません。
ゴー・トゥー・キャンペーンについても、総事業費の約二割、三千九十五億円に上る委託費が判明し、持続化給付金と同じ構造ではないかとの批判が広がっています。
政府は、事業者の公募を中止すると発表しましたが、我が党が一次補正の際に主張したとおり、この制度はもうやめるべきではありませんか。
五月八日夜、たった一人の女性のツイートから始まった検察庁法改正案への抗議は、数日で数百万のツイートデモへと発展し、安倍政権の支持率は急落しています。
一内閣の閣議決定で現行法の解釈を百八十度転換し、事実上、立法権を侵害する。これを許したら、日本は法治国家でなくなります。準司法官である検察官の人事に政府が介入することは、司法権の独立を侵害するものです。
三権分立を踏みにじる安倍政権に対して主権者である国民の怒りが広がっている、このことを重く受けとめるべきです。
コロナ禍のもとで、国民の暮らしと経済はかつてない危機に直面しています。国民の声と結んで、政治の私物化をただし、暮らしと営業を守るために全力を尽くす決意を申し述べて、質問を終わります。(拍手)
会議録PDF
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作成者 : fujinoyasufumi