法務委員会で「桜を見る会」について質問
法務委員会で「桜を見る会」について質問。
法務省から内閣府への推薦名簿について大臣は「有無も含め精査中」と答弁。
無いとは言えない。
なぜ通例1万人が1万8千人まで増えたのか?どのルートでどのくらい増えたのか?
一つ一つ詰めていきたい。
- 会議録 -
○ 松島委員長 次に、藤野保史さん。
○ 藤野委員 日本共産党の藤野保史です。
まず冒頭、桜を見る会についてお聞きしたいと思います。
前の法務大臣も、いわゆる私費でアナウンサーの方に多額の給与を払ったということなどが報じられて辞任をされた。経済産業大臣も、私費でメロンやカニか何かを配ったということが報じられて辞任をしたということであります。私費でやったら大臣辞任、あるいは、今後の展開では議員の職もどうなるかもわからないというような大問題だということであります。
これを、税金を使った公的行事で食べ物とかお酒とかお土産を配ったら許されるのかということが今大問題になっております。これは徹底的に究明しないといけないと思うんですね。
ところが、内閣府は、さきの参議院予算委員会で、その文書、招待された人の取りまとめた文書はもう廃棄してしまった、だからわかりません、こんなことを言っておりまして、これは到底許されないというふうに思います。
内閣府の方で一年未満だから破棄したというわけですが、逆に、各省庁から推薦して、こうこうこういう方がいらっしゃいますよ、例えば、法務省だったら、保護司で長年貢献されたとか、特別養子縁組で里親として長年貢献されたとか、こういう方がいらっしゃいますよと法務省から上げることもある、各省あるわけですね。そっちの文書の方は残っているというふうに思うんです、行政文書ですから。
大臣にお聞きしたいんですが、この推薦者名簿というのは残っているんじゃないでしょうか。
○ 森国務大臣 推薦者名簿については、事務方において現在精査中であるというふうに伺っております。
○ 藤野委員 精査中ということは、存在するということでいいですね、廃棄していないということで。まず、それを確認したいと思います。
○ 森国務大臣 現在、お尋ねの資料の有無を含めて精査中であると聞いております。
○ 藤野委員 文部科学省では、大臣官房人事課の保存期間表というのがありまして、ここにもあるんですけれども、この期間表によりますと、栄典又は表彰に関する事項というのがあって、それの1から4まであって、4が園遊会、桜を見る会等となっておりまして、その園遊会、桜を見る会等に関する文書、そして内閣府からの推薦依頼、推薦依頼に対する回答、内閣府からの照会事項、そして照会事項に対する回答というのがありまして、これが十年になっているんです、保存期間、十年。
今、精査中とおっしゃいましたが、精査しなくても出せるものもあるんですよ。それが、ここにある内閣府からの推薦依頼、そして内閣府からの照会事項、これはすぐ出せると思うんですが、出していただけますか。
○ 森国務大臣 委員の御質問の趣旨を含めて、事務方にしっかりと調べさせたいと思います。
○ 藤野委員 いや、これは調べなくても出せるはずなんです。別に何か個人情報があるとかいうわけではありませんから、これは全省庁に出しているわけですから、内閣府が。これをすぐ出していただきたいんですが。
○ 森国務大臣 お尋ねの資料の有無を含めて、また、今読んでいただいたものも含めて、事務方にきちっと調べさせたいと思います。
○ 藤野委員 いや、有無を含めてといいますか、これはあるわけですよ。
じゃ、ちょっと角度を変えて聞きますけれども、法務省にもこの保存期間表というのはございます。ここにあります。これのどこの、根拠条文といいますか、今、文科省のは御紹介させていただきましたけれども、法務省の場合、今私が申し上げた内閣府からの推薦依頼、そして内閣府からの照会事項、これはどこに当たるのか、根拠規定を教えてください。
○ 森国務大臣 お尋ねのことについては、事務方から答弁させたいと思います。(藤野委員「誰ですか。急いで。委員長、ちょっととめてください」と呼ぶ)
○ 松島委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕
○ 松島委員長 速記を起こしてください。
藤野さん。
○ 藤野委員 内閣府からの推薦依頼、あるいは内閣府からの照会事項、これに関する文書の保存等に関する根拠を教えてください。
○ 森国務大臣 法務省の行政文書については、公文書等の管理に関する法律及び法務省行政文書管理規則等に基づき適切に管理をしております。
○ 藤野委員 いや、そうではなくて、私が聞いたのは、文科省の場合はこういうのがあるわけです、保存期間表というのがありまして、各課ごとにあるんです。これは法務省にもあるんです、当然。おっしゃった法律に基づいてそういうのをつくりなさいというふうに出しているわけですね。ガイドラインもびっちりと書いております。ですから、各省庁、同じようにやっているんです。
私が聞いたのは、法務省も人事課に標準文書保存期間基準というのがあると思うんです、ここのどこに書かれていますかということを私は聞いているんです。
○ 森国務大臣 委員がおっしゃった表について、私の手元にちょっとございませんけれども、今申し上げましたとおり、法務省の行政文書については、公文書等の管理に関する法律及び法務省行政文書管理規則等について適切に管理しておりますので、詳細については、事務方において精査をさせたいと思います。(藤野委員「いやいや、だめだめ、これ」と呼ぶ)
○ 松島委員長 では、速記をとめてください。
〔速記中止〕
○ 松島委員長 では、速記を起こしてください。
藤野さん。
○ 藤野委員 これは通告しておりまして、簡単にお答えいただけるのかなと思っていたんですが。
要は、人事課の文書にも、大臣官房秘書課の文書にも、栄典又は表彰に関する事項というのがあるんですね。これは、先ほど御紹介した文科省のところでも同じなんです。栄典又は表彰に関する事項の中に、園遊会と桜を見る会等に関する文書というのが入っております。
ここまで明示されていないんですけれども、法務省にも、栄典又は表彰に関する事項というのがあって、選考基準、選考案、伝達、受賞者名簿、こういうのがあるんです、秘書課のには。これは十年になっているんですね、保存期間。これが根拠なんじゃないですか、大臣。
○ 森国務大臣 今、事務方において精査をさせたところ、文科省についてちょっと例をお示しになりましたけれども、法務省においては、法務省行政文書管理規則に基づく法務省大臣官房人事課の標準文書保存期間基準において、表彰に関する事項のうち、各種行事に関する文書の保存期間は三年となっております。
○ 藤野委員 ちょっと精査していただいて、後でまた教えていただければと思うんですが。
いずれにしろ、文書はある、三年分はあるということでありまして、今精査中ということですから、これは精査したら出していただけるということでよろしいでしょうか。
○ 森国務大臣 必要な精査を行った上で、適切に対処してまいりたいと思います。
○ 藤野委員 これは出していただかないと、安倍政権のもとで、従来一万人でずっと続いていたものが、一万八千人を超えるまでにふえているわけですね。なぜふえたのかというその根拠として、まず、各省庁が例年大体一万人ぐらいで来ている、それのバックデータになると思うんです、法務省が、じゃ、どなたを、どういうふうにやってきたのかというのがですね。それが、なぜこの間ふえてきたのかというところとの関係で極めて重要な資料になりますので、これはしっかり出していただきたい。
三年とありましたけれども、これはどう考えても十年じゃないかと思いますので、そこはまた引き続き私も調べますけれども、いずれにしても、この問題は今後も確認をしていきたいというふうに思います。
結局、きょう、もう朝日新聞が一面で報じておりまして、これは去年のでしたけれども、安倍事務所からの案内状と申込書というのが写真入りで報道されておりましたし、テレビ局は、朝日のは去年のなんですけれども、テレビ局はことしのやつも同じように案内状というものを報じておりました。
ですから、正規のルートといったらあれですけれども、法務省の皆さんが上げていく推薦名簿と別のルートがあるんじゃないかというのが今問題になってきているわけでありまして、それとの整合性といいますか、関係を調べる上でも非常に重要ですので、ぜひこれはしっかり調べて出していただきたいと思います。
それでは、法案について質問したいというふうに思います。
最高裁は、ことし八月末に来年度概算要求を行いました。予算総額では昨年の要求額より増加しているんですけれども、問題は定員でありまして、定員で見ますと、増員数、要するに増員の幅が去年よりも下回っておりますし、全ての職種で。一定の職種でふえているところはありますけれども、差引き、合計でいえば十五名の純減要求となっております。
この間、最高裁も、我々から見れば、もうちょっとふえてもいいんじゃないかと思いますけれども、一応増員を要求されていたんですよね。それが、財務省の査定といいますか、あれによって実質的には減ってきたということが繰り返されてきたんですが、ことしはもう概算の段階から、初めから減らして要求する。これは私はちょっと、私自身は初めてだと思うんですけれども。
最高裁にお聞きしたいんですが、やはり国民の裁判を受ける権利というのを皆さん方が最後のとりでとしてやられているわけで、これはなぜ純減で要求されるのか、この理由をちょっとお聞かせください。
○ 村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
裁判所は、適正迅速な事件処理を実現するために、これまでも事件動向等を踏まえて裁判官、書記官等を増員してまいりまして、人的体制の整備を図ってきたところでございます。
令和二年度におきましては、御指摘の中にもございましたけれども、民事訴訟事件及び家庭事件の適正かつ迅速な処理を図るために、判事の増員を要求させていただいております。また、家庭事件の適正かつ迅速な処理、それから事件処理の支援のための体制強化、さらには国家公務員の女性活躍、ワーク・ライフ・バランス推進を図るために、裁判所書記官及び裁判所事務官の増員をそれぞれ要求させていただいております。
他方、裁判所は国家の一機関でございますので、事務の効率化等、必要な内部努力を行い、定員合理化に協力するということ自体は必要であると考えておりまして、令和二年度におきましては、技能労務職員等の減員を行うことといたしました。
これらを考えました結果として、裁判所職員全体では、御指摘のとおり、マイナス、減員ということになっておりますけれども、裁判部門につきましては、今申し上げたような内容で要求をさせていただいておりますので、この要求している増員によりまして、現有人員の有効活用とあわせて、事務処理体制自体は強化できるというふうに考えております。
いずれにしましても、裁判所としては、今後とも事件動向等を踏まえて、必要な人的体制の整備には努めてまいりたいと考えております。
○ 藤野委員 初めから減員で要求するというのは、本当にちょっと、本当にこれで人権が守れるのかというふうに思うんです。
衆議院にこれはちょっとお聞きしたいんですけれども、過去二十年以上にわたって同一件名で採択された請願というのは幾つあって、件名はそれぞれ何でしょうか。
○ 今岡参事 お答えいたします。
先生お尋ねの同一件名の請願といたしましては、腎疾患総合対策の早期確立に関する請願、北方領土返還促進に関する請願及び裁判所の人的・物的充実に関する請願が、採択の上、内閣に送付されております。
○ 藤野委員 わずか三件ですね、二十年以上にわたって採択されていると。
この裁判所の人的・物的充実に関する請願というのは、いつから提出されて、どのようになっているか、もう少し教えてください。
○ 今岡参事 お尋ねの請願につきましては、平成八年の第百三十六回国会に初めて提出されて以来、ことしの第百九十八回国会までに二十五の国会で提出され、解散等の事情により審査未了になったものもございますが、十九の国会において採択の上、内閣に送付されております。
○ 藤野委員 つまり、平成八年、一九九六年以降、解散等で、要するにやむを得ない事情で流れてしまったという以外は、全て採択をされております。
与党の皆様もよく御存じのように、やはり与野党が一致しませんと請願というのは採択されないわけで、ここ二十年以上にわたってわずか三件ですけれども、そのうちの一件がまさにこの法務委員会の裁判所の人的・物的充実を求める請願ということであります。
ですから、これは最高裁にお聞きしたいんですが、これはまさに国会の意思だと思うんですね。与野党を超えて、裁判所の人的、物的充実をしなきゃいけないんだということを、もう二十年以上にわたって求めてきている。この国会としての意思を裁判所としてはどう受けとめて、どう対応しようとしているのか、これをちょっとお聞かせください、率直に。
○ 村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
今御指摘いただきましたような請願の採択等については裁判所としても承知をしているところでございますけれども、裁判所の使命は適正迅速な事件処理の実現でございますので、事件数、事件動向、事件処理状況、こういったものを踏まえて、それが適切にできる体制整備をするということが我々の果たすべき使命と思っております。
その観点から、先ほど申し上げたように、必要な体制整備をこれまでお願いをし、実現をしてきたものというふうに考えております。
○ 藤野委員 もともと三権の一つである司法権には、内閣がこの間行われてきた定員合理化計画に協力する義務はないんです。もう皆さんも答弁されているように、協力する義務はないけれども協力するとおっしゃって、定員削減で物すごい、私から見れば過度の協力を行政府に対してはしてきたわけですね。
ところが、他方、立法府だって、皆さん方に、こういうことが必要じゃないか、こういうことが必要じゃないかとずっと与党も含めて提起をしてきているわけですね。それに対しては全く応えない。これは一体どういうことなんだというふうに思うんですね。
私は、これは、野党だけの要求でなく、もう国会として、当委員会そして本会議で二十年以上ずっと採択しているわけですから、この国会の意思をしっかりと受けとめるべきじゃないかというふうに重ねて求めたいと思います。
その上で、これはちょっと大臣にもお聞きしたいんですけれども、この間、法務省というのは国会にさまざまな法案を提出されて、家事事件手続法とか民事執行法とか民法の特別養子縁組など、これらの法案審議をやってまいりました。私もやらせていただきました。
この過程で、家庭裁判所調査官、今回はそこに限らせていただきますけれども、家庭裁判所調査官の役割は極めて重要だ、そういういろいろな参考人や政府の答弁があったと思うんですね。政府だけではなく、最高裁も答弁しております。
時間の関係で私が紹介しますけれども、例えば、当委員会で、ことしの五月二十四日、特別養子縁組の質疑の際、私の質問に対して、最高裁の長官代理の手嶋あさみ氏はこう言っているんです。「家裁の役割それから家裁調査官の調査の重要性、そうしたものがますます重要になってきているということは、委員御指摘のとおりかというふうに存じます。」と。参議院でも同じように、「家庭裁判所調査官の役割が高まることはもう御指摘のとおりでありまして、」こういう答弁なんです。
ですから、大臣にお聞きしたいんですけれども、政府が出された法案の審議の中で、やはりそれを執行していく上で家庭裁判所調査官は重要だと最高裁も認めているわけです。にもかかわらず、それが全くふえない。これでは、政府がやろうとしている仕事が本当に果たせるのか。法案を通して、後はもうお任せというわけにはいかないと思うんですね。法案を提出されたわけですから、それをどう執行していくのか。どうしてもやはり裁判所の人的、物的体制、充実は必要じゃないかということで、このままでは子供にしわ寄せがいってしまったりするわけですから、大臣として、今の状況、これを改善していくべきだと思うんですけれども、どのような御所見でしょうか。
○ 松島委員長 質疑時間が終了しましたので、簡潔にお願いします。
○ 森国務大臣 家庭裁判所調査官の提案を含め、裁判所の体制整備のあり方については、裁判所を取り巻くさまざまな状況を踏まえ、最高裁判所において適切に判断されるべきものと考えております。
法務省としても、裁判所関連の法律を所管する立場から、引き続き、最高裁判所の判断を尊重しつつ、国民に身近で頼りがいのある司法を実現するため、適切に対処してまいりたいと思います。
○ 藤野委員 質問を終わりますが、最高裁には人的、物的体制の充実を強く求めておきたいと思います。
終わります。
作成者 : fujinoyasufumi