さらに同6号機は全く汚染されていないので、廃炉作業の流れや方法を「実物」で検討できるという世界でも貴重な施設です。先ほどの圧力容器だけでなく、蒸気発生器など重要な機器の廃炉手順を「実物」で確かめられる強みは計り知れないと実感しました。
同原発では発電はしていませんが、変電所、送電線などのインフラは現役です。それらを活用して、天然ガスパイプライン、洋上風力発電を経営する会社の誘致に成功。洋上風力発電は2019年に稼働するとのことです。
今や廃炉を担うEWN社の職員は約900人。他方、洋上風力などそれ以外の企業の職員は約1200人とのこと。未来への可能性を感じました!
他にも色々と重要な知見を得ることができました。
説明してくれた方は、同原発で30年間働いた元原発労働者。その方の娘さんは3月12日生まれ(娘さんはもう20代)。「そのこともあって福島のことをいつも考えているよ。知りたいことがあれば日本からでも問い合わせてくれ」と言ってくれました。
原発に関わってきた人間として、福島第一原発で働く多くの原発労働者の皆さんを心から心配していることが伝わってきました。
単に廃炉作業の先進例という点だけでなく、原発で働いてきた方だからこその思いと日本への強い連帯の思いを感じた視察になりました。