ガイドの方によるとデブリの量は1300トンもあり、30年経っても放射線が高いので常に管理と測定が必要とのこと。デブリ取り出しの見通しは立っていません。
新石棺を建造する作業の途中、放射能を含んだチリなどが河川に入らないように気をつけているということです。
また雨や雪などが旧石棺の割れ目から中に入り放射性物質に触れて汚染水になっているため対策に苦労しているとのことでした。総じて「水」対策にはかなり気を使っていると感じました。
チェルノブイリ原発にある配電装置や送電線はまだ使えます。ウクライナ政府はこうしたインフラを活用して、自然エネルギーの拠点にしたいと考えているそうです。ドイツのグライフスバルト原発の跡地利用とも共通する考えです。
木材を使ったバイオマス発電や太陽光発電などが考えられるそうです。確かに、キエフからチェルノブイリまでの道には広い畑や深い森が広がっていました。除染やコストの問題はありますが、今後の動きを注視したいと思います。
いまチェルノブイリ原発では1日3000人の作業員が働いていますが、興味深いのはその勤務シフト。
普通の作業員や食堂、線量管理の職員などは、月曜日から木曜日まで働いて、金曜日から日曜日まで休み。家族ともゆっくり過ごせる。消防士や警察官は、15日間働いて、15日間休むとのこと。
作業員のこと、家族のことを中心に考えているなあ、と感じました。