2013年2月5日
活動日誌
安倍政権に対して、「賃金を上げろ」という声が広がっています。
富士通総研の根津利三郎氏は、「安倍新総理は賃上げに動くべきだ」(1月29日・30日)と題するレポートを発表。
根津氏は、「なぜ日本だけが長期のデフレに悩まされているのか?答えは日本だけが傾向的に賃金が下落し続けているからである」とズバリ指摘。
さらに、「企業が保有している現金・預金は215兆円だ。米国と比較しても、この数字は異常に大きい。株主の発言権が強い米国では、余分な金は株主に還元せよとの圧力が加わり、必要以上の金が企業の手元に留まるということはない。コーポレートガバナンスが十分働かない日本では、政府が企業に対して賃上げや配当増加の要請をしても誤りではないと思う」と述べています。
「株主の発言権」を引き合いに出すあたりが、面白いですね。
もう一人ご紹介したいのは、吉川洋氏。
この人は、小泉「構造改革」の理論武装をしてきた経済学者です。2001年~2006年と2008年~2009年には、経済財政諮問会議の民間議員をしていました。
私も、国会秘書時代から今に至るまで、この人の主張や論文を批判的に分析してきましたが、最近の彼の著書はこれまでとは一味違います。
『デフレーション』(2013年1月18日初版、日本経済新聞出版社)という本の中で、吉川氏は、「なぜ日本だけがデフレになったのか」という点について、「大企業における雇用制度が大きく変わり、名目賃金が下がり始めたことである」と繰り返し指摘しています。根津氏と同じ認識です。
今の不況の原因が、①賃金が下がったこと、②それは大企業中心に雇用を変えてきた(悪化させてきた)からであるという点で、基本的に正しいと思います。
小泉「構造改革」をすすめてきた当人の主張ですから、面白いですね。
最後に、麻生財務大臣の主張もご紹介。