2018年1月31日
国会での活動 国会論戦 活動日誌
日本共産党の藤野保史議員は30日の衆院予算委員会で、北朝鮮の脅威と「核抑止力論」を理由に核兵器禁止条約に背を向ける日本政府の態度をただし、安倍晋三首相に正面から条約参加を強く求めました。
首相は、ノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のベアトリス・フィン事務局長から懇談を求められましたが、「日程上の都合」で拒否しました。藤野氏は、「被爆者の方々も参加するICANの事務局長と懇談できなかったことをどう感じているか」と質問。首相は、外遊期間と重なっていたと言い訳し、「改めて面会要請があった場合にはそのときの日程等を踏まえて検討したい」と述べました。
藤野氏は、広島県出身被爆者、サーロー節子氏がノーベル平和賞授賞式で行ったスピーチを紹介し、「サーローさんが壮絶で悲痛な経験から述べたように、私も『核兵器は必要悪でなく、絶対悪』だと思います。核兵器は、何十万人もの罪の無い一般市民の命を奪う非人道的な兵器だ」と強調し、首相の認識を追及しました。
首相は、北朝鮮の核ミサイル計画を「重大かつ差し迫った脅威」として、「日米同盟のもとで通常兵器に加え、核兵器による米国の抑止力を維持していくことが必要不可欠だ」と強調。「条約は核抑止そのものを否定しており、北朝鮮が参加する見通しが無い中、政府としては条約に参加することができない」と言い放ちました。
藤野氏は、「核抑止論」について、「広島・長崎のような非人道的惨禍を引き起こしても許されるという考え方だ。唯一の戦争被爆国の政府が続けていいのかが問われている」と指摘。「核兵器を違法化し、『悪の烙印(らくいん)』を押すことが核兵器開発の放棄を迫る国際的な大きな力になる。日本政府は条約に参加してこそ、北朝鮮にも核兵器を捨てなさいと強い立場で迫ることができる。北朝鮮問題の解決には、核兵器禁止条約が最も抜本的かつ現実的な道だ」と指摘しました。