予算委員会 対総理質疑と補正予算案への反対討論 / 本会議 補正予算案への反対討論
今日は
①予算委員会で対総理質疑(米軍駐留経費負担増について)
②同委で補正予算案への反対討論
③本会議で同案への反対討論
と、3ラウンドの質問・討論がありました。
印象に残ったのが、わが党の宮本徹議員の質問に対して、安倍総理が「募ると募集は違う」という趣旨の答弁をしたこと。
その時は笑いましたが、実はこの総理の本質を示す恐ろしい発言では。
やはり、政権を変えなければなりません!!
①予算委員会 対総理質疑 (米軍駐留経費負担増について)
- 会議録 -
○ 棚橋委員長 次に、藤野保史君。
○ 藤野委員 私は日本共産党の藤野保史です。
私は在日米軍の駐留経費の負担増についてお聞きします。
ことしは日米安保条約六十周年ということで、この節目の年に、今、米トランプ政権から、この在日米軍駐留経費について不当な増額要求が突きつけられている。
例えば、昨年十二月三日には、トランプ大統領自身が、NATOの事務総長との会談の冒頭でこうおっしゃっている。晋三には、君たちは我々を助けないといけない、我々は多くの金を払っているんだ、君たちは裕福な国なんだろうと伝えたと発言されております。私が驚いたのは、それに続けてトランプ大統領がこう言っているんですね。彼は多くのことをやってくれるだろう。英語で言うと、ヒー・イズ・ゴーイング・ツー・ドゥー・ア・ロット。ヒー・イズ・ゴーイング・ツーと言っているんですね。つまり、安倍首相の今後の対応についての印象を語られている。
さらに、ことしになりましても、一月十八日の安保六十周年に際してのトランプ大統領の公式声明。これは公式声明だから重いと思うんですけれども、この最後で、相互防衛に対する日本の貢献は今後拡大し続けると。ですから、ここでも日本の今後が語られているわけであります。
総理にお聞きしたいんですが、なぜトランプ大統領がこんな感触を持っているのか、こういう方向性についての何らかの言質を日米首脳会談で与えたということですか。
○ 安倍内閣総理大臣 大統領の一つ一つの発言についてはコメントを、いろいろな発言をされますが、一つ一つのコメントについては発言は差し控えたい、こう思っております。
トランプ大統領とはさまざまな課題について率直な意見交換を行っておりまして、在日米軍駐留経費について、我が国はこれを適切に負担していることを説明してきています。
これ以上の詳細については、外交上のやりとりでありまして、差し控えたい、このように考えているところでございますが、いずれにせよ、政府としては、一層厳しさを増す地域の安全保障環境や我が国の厳しい財政事情も踏まえて、在日米軍駐留経費負担について、引き続き適切に対応していく考えであります。
○ 藤野委員 安倍総理は、昨年の当委員会、他の野党議員の質問ですけれども、十月十一日の予算委員会でこう答弁されているんですね。外交上のやりとりの問題で総理はこうおっしゃっています。これはこういうルールがありまして、自分の発言は紹介していいけれども、相手の発言はそこでは言わない、相手方の発言は勝手には引用しないというのは、これは常識なんだろうと。その上で、総理は、私の言ったことは紹介できるから私がここで述べた、こういうことでございますとおっしゃっているんですね。
つまり、ルールとして、やりとりはあるけれども、確かにあれだけれども、総理自身は自分の発言は紹介していいとおっしゃっているわけですね。ですからお聞きしているわけで、具体的に、なぜトランプ大統領、相手方がこういう印象を持っているのか、どういう発言をされたんですか。
○ 安倍内閣総理大臣 私が申し上げたのは、チャタムハウスルールですか、いろいろな国際会議の場等も含めて、自分の発言は紹介できるけれども、相手の発言は紹介しないというのは基本的なルールであります。
しかし、それは、私が発言したことを全て公開できるということではなくて、それは……(藤野委員「そんなことは言っていない、全てなんて。なぜこういう印象を持ったのかと」と呼ぶ)済みません、それは、発言は紹介できるということであって、全てが紹介できるということではないわけでございまして、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、この駐留軍経費につきましては、我が国はこれを適切に負担をしているということについて繰り返し説明もしてきているところであります。
○ 藤野委員 けさの朝日新聞でも、ジョセフ・ヤング駐日臨時代理大使が、要するに、日米がお互いに、より多くのことをしなければならないという認識だということを、トランプ大統領の発言にも触れておっしゃっているわけで、なぜ米側が繰り返し繰り返し負担要求を突きつけてくるのか。
交渉のことをおっしゃらないので、公の場で公開されたものを紹介したいんですが、やはり安倍総理は日米六十周年の記念レセプションでこうおっしゃっております。いろいろおっしゃいましたけれども、今や日米安保条約はいつの時代にも増して不滅の柱、そして、私たちが歩むべき道はただ一筋、希望の同盟の、その希望の光をもっと輝かせることですというんですね。
これをやはり相手方は、トランプ大統領は、同じ六十周年の公式声明で、日本の貢献は今後拡大し続けると。今後拡大し続ける、そして、今後もっと輝かせると。いわゆる趣旨は同じなわけですよね。
ですから、相手方が、在日米軍の駐留経費でジョセフ臨時大使も、より多くの負担と言っているわけですけれども、こういう同じ方向で、しかも、こういう公の場では、はっきりとそれにノーと言わないということがあると思うんです。
私は、いろいろな交渉を全部言えなんて言っておりません。全て言えなんて言っておりません。負担をふやせという相手の要求がなぜ生まれてくるのか。もし会談の場でのことは言えないというのなら、この場でそういう負担増には応じられないとはっきり言うべきじゃないですか。
○ 茂木国務大臣 我が国を取り巻きます安全保障環境が一層厳しさを増す中で、六十周年を迎えました日米安保体制、これに基づきます日米同盟、我が国の防衛、そしてアジア太平洋地域の平和と安定に不可欠だと思っております。
そして、これは、御案内のとおり、これからサイバー空間であったり宇宙であったりとか、これは日本だけではなくてアメリカも含めてお互いに、そういった新たな脅威に対しても、新たなフロンティアに対してもさまざまな取組をしていかなきゃならない、お互いに貢献をしようということであります。
その上で、現行の在日米軍の駐留経費の負担の特別協定、御案内のとおり、来年の三月末まで有効でありまして、現時点で、新たな特別協定に関する交渉、日米間では行われておりませんし、また、現在、日米両政府の合意に基づいて駐留経費は適切に分担をされている、このように考えております。
○ 藤野委員 適切な分担とおっしゃるんですが、本当にそうなのかと。
これは、そもそも米軍の駐留経費の負担はどういう原則になっているかといいますと、日米地位協定、安保条約に基づく日米地位協定の二十四条一項で、基地の提供の費用以外は全て、全ての経費は日本国に負担をかけないで米国が負担すると二十四条一項に明記されているわけですね。これが日米地位協定に定められた米軍の駐留経費負担の大原則であります。
ところが、日本政府は、米側の圧力に屈して、この大原則をずっとないがしろにしてきた。一九七八年には思いやり予算、一九八七年には、今御答弁があった特別協定、さまざまな形でずっと拡大をしてきた結果どうなったかというと、一九七八年に思いやり予算が始まって以降、四十三年間で実に日本側の駐留経費負担は十兆円に上っております。十兆円です。この負担というのは、他の全てのアメリカの同盟国負担を上回る規模であります。
だから、適切な負担どころではなくて、米国防総省の中からも、日本に置くことが最も安くつくとか、パウエル元国務長官も、日本に駐留させることは、米国内に置くよりも、実のところはるかに安くつくと言うぐらい、極めて異常な、日本に負担がかぶさっているという状況であります。
私は、もうこういうものはきっぱり拒否すべきだと、負担要求。今まで十兆円を負担していて、それを更に負担しろ、こんなばかな話はないと思うんです。
もう一点お聞きしたいんですけれども、本補正予算には、先ほどありましたけれども、四千二百八十七億円という巨額の軍事費が盛り込まれております。その九割を占めるのが、F35A戦闘機などを取得するための歳出化経費、つまり兵器ローンの返済の前倒しであります。
いわゆるこの兵器の爆買いというやつがどうやられてきたかといいますと、これもやはり総理とトランプ大統領の首脳会談、このやりとりの中で、いわゆる防衛計画にもなかったものが予算に盛り込まれる、しかも補正という、本来補正に盛り込んじゃいけないようなものまで盛り込まれるという形がこの間続いてきているわけであります。
この結果、この後年度負担の総額、五・四兆円を超えているわけですね。先ほど言いましたけれども、既に十兆円を超えている駐留経費の負担をアメリカはふやせふやせと言っている。もうあらゆる場で言っているわけです。総理ともやりとりをしている。しかし、それを言わない。
実は、この言わないということは、このFMS、この後年度負担についての議論も、実は我が党の議員などが、他党もそうですけれども、国会で明らかにすべきと言ったのに、しなかったわけですね。しなかったもとで五・四兆円までふえている。
総理にお聞きしますが、国会に説明しないまま国民への負担だけをふやすというのを、兵器の爆買いに続いて米軍駐留経費でもやるつもりですか。
○ 棚橋委員長 防衛大臣河野太郎君。
なお、申合せの時間が来ておりますので、答弁を短くお願いいたします。
○ 河野国務大臣 装備品の調達に当たりましては、日本製、米国製にかかわらず、我が国の防衛に必要な装備品を個別に評価、検討し、我が国の主体的な判断のもとに決定をしております。
今回の補正も、当初予算のプロセス以降に発生をした、そうした事案に対応するために必要なものを補正に計上させていただいております。
○ 藤野委員 もう終わりますけれども、やはり日米安保六十年で、今言った駐留経費という経済的負担だけではありません。小学校や幼稚園に窓なんかが落ちても調べることすらできない、こういう治外法権を認めているのは日本だけであります。
こういう対米従属的な姿勢を大もとから見直すべきだということを主張して、質問を終わります。
②予算委員会 補正予算案への反対討論
- 会議録 -
○ 棚橋委員長 次に、藤野保史君。
○ 藤野委員 私は、日本共産党を代表して、二〇一九年度補正予算案に反対の討論を行います。
初めに、総理が国民の血税を使って地元有権者を買収していたのではないかという桜を見る会疑惑、カジノ汚職、二閣僚の辞任をめぐる安倍総理の説明は、国民に対する説明責任を全く果たしていません。安倍政権の国民軽視の姿勢があらわれていると厳しく指摘いたします。
次に、昨年の台風十五号、十九号等により、広範囲にわたる甚大な被害が発生しました。犠牲になった方々への心からの哀悼とともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
本補正予算案の災害対策費は、これらの災害からの復旧において緊急かつ必要な支出であり、当然です。政府に対しては、引き続き万全の対応をとることを求めるものです。
本補正予算の最大の問題は、巨額の軍事費です。
そもそも、財政法上、補正予算が認められるのは、予算編成後に生じた事由に基づく緊要な場合に限られています。ところが、安倍政権は、この間、戦闘機、護衛艦、ミサイルなどの購入経費を補正予算に盛り込むやり方を常態化させています。これは、補正予算の趣旨を歪曲するものにほかなりません。
本案にも、この傾向が顕著に出ています。
軍事費は四千二百八十七億円に上りますが、その九割を占めるのが、F35A戦闘機や空中給油機などを取得するための歳出化経費、つまり、兵器購入の分割払いの前倒しです。既に発注済みの兵器の後年度負担分を繰り上げて払うことに緊急性はなく、ましてや経済対策でもありません。補正後の後年度負担は新規分で二・六兆円、総額は五・四兆円もの巨額に達しています。これは、将来の財政を圧迫し、国民生活に必要な施策ができなくなる危険性を増大させており、断じて容認できません。
もう一つは、消費税増税による悪循環の問題です。
アベノミクスによる格差の拡大、それに拍車をかける消費税率一〇%の強行による景気後退により、税収見通しは二兆三千百五十億円も下がっています。それを補うために、本案の財源として特例公債、建設国債を追加発行し、前年度の剰余金も加えています。しかも、その使い道は、高速道路のネットワーク化、世界レベルのホテル建設を含む民間都市開発、日本の大企業によるMアンドAやインフラ整備などの新規大型開発がメジロ押しです。加えて、一兆四千五百三億円もの財政投融資計画も新規に追加しています。
こうしたやり方は、財政負担をふやし、我が国の財政、金融を更に困難に追い込むことになりかねません。
格差を是正し、暮らしを応援する政治へ、税金の集め方、使い方を根本的に改めることを強く求めて、反対討論を終わります。(拍手)
会議録PDF(予算委員会①対総理質疑 と②反対討論)
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③本会議 補正予算案への反対討論
- 会議録 -
○ 議長(大島理森君) 藤野保史君。
○ 藤野保史君 私は、日本共産党を代表して、二〇一九年度補正予算案に反対の討論を行います。(拍手)
初めに、桜を見る会やカジノ汚職などで、安倍総理の政治責任が厳しく問われています。
桜を見る会で問われているのは、政府の公的行事に総理の地元後援会事務所が幅広く参加者を募り、地元有権者を接待した疑惑であります。これが、公的行事を利用した税金の私物化や公選法違反に当たるのではないかという疑惑であり、さらに、公文書を隠蔽、廃棄して組織的隠蔽を図ったのではないか、これが問われているのであります。
安倍総理は、疑念に対しては丁寧に、真摯に答えないといけないと言いながら、証拠も示さないまま同じ答弁を繰り返し、あげくの果てに、募ると募集は違うという驚くべき答弁を行うなど、説明責任を全く果たしていません。
二日間の質疑で疑惑は一層深まりました。野党が要求している資料を開示し、徹底究明することを強く要求するものです。
カジノ汚職では、担当副大臣が逮捕されるという重大事態が起きているもとで、カジノ利権を徹底的に洗い出すことが必要だということを厳しく指摘するものです。
補正予算について述べます。
災害対策の予算は当然ですが、昨年の台風などによる被害はいまだに復旧しておらず、政府のさらなる対応が必要です。今こそ被災者生活再建支援法の抜本改正をするよう強く求めるものです。
本案の最大の問題は、巨額の軍事費です。
そもそも財政法上、補正予算は、予算編成後に生じた事由に基づく特に緊要な場合に限って認められます。ところが、安倍政権は、この間、戦闘機、護衛艦、ミサイルなどの購入経費を補正予算に盛り込むやり方を常態化させてきました。これは、補正予算の趣旨を根本からゆがめるものです。
本案にも、この傾向が顕著に出ています。
軍事費は四千二百八十七億円に上りますが、その九割を占めるのが、F35A戦闘機や空中給油機などを取得するための歳出化経費、つまり、兵器購入の分割払いの前倒しです。既に発注済みの兵器の後年度負担分を繰り上げて払うことに緊急性はなく、ましてや経済対策でもありません。
補正後の後年度負担は、新規が二・六兆円、総額は五・四兆円に達しています。本案は、将来の財政を圧迫し、国民生活に必要な施策ができなくなる危険性を増大させるものであり、断じて容認できません。
もう一つは、消費税増税による悪循環を加速させる点です。
消費税一〇%増税の強行で、日本経済は新たな消費不況に陥りつつあります。アベノミクスの破綻に加え、消費税の増税が暮らしと経済を冷え込ませており、その結果、政府の税収見通しも二兆三千百五十億円もの減額となっています。
本案は、経済対策のために二・二兆円、税収不足の穴埋めのために二・二兆円、合わせて四・四兆円もの国債を追加発行しようとしています。これは、消費増税分を吹き飛ばす規模です。しかも、その使い道は、新規大型開発がメジロ押しであり、国民の暮らしを応援するものではありません。
消費税増税により景気を悪化させ、その対策として大型補正を組み、巨額の国債を発行して財政負担をふやし、経済も財政もさらなる困難に追い込む、この悪循環をまた繰り返すつもりでしょうか。
格差を是正し、暮らしを応援する政治へ、税金の集め方、税金の使い方を根本的に改めることを強く求めて、反対討論を終わります。(拍手)
会議録PDF(予算委員会③本会議)
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作成者 : fujinoyasufumi