2014年8月14日
活動日誌
今回はシリーズ9回目。
前回は、原発の「廃炉」に関連する雇用・産業をみましたが、廃炉もあくまで原発に関連する産業といえます。
今回は、原発から離れて、すでに存在している他の県内産業で仕事と雇用を生み出す道について考えてみたいと思います。
第6回の連載のとき、福井県でも原発停止の影響はあるものの、①火力発電所の雇用による代替、②政府による支援策、③断層調査による宿泊客などによって、求職面での影響が緩和されていることを紹介しました。
また、①原発関連の求人が少ないこと(建設業)、②事業所数が少ないこと(宿泊業)、③小売りや医療・介護などでの求人が多いことなどから、求人面での影響が緩和されていることを紹介しました(日本銀行・金沢支店のレポート「ほくりくのさくらレポート」2013年4月11日号」)
さらに、2011年度の経済成長率(実質ベース)でも、原発稼働停止による影響は実質で3.7%減となりましたが、電子デバイスなどの製造業が4.0%増となるなど、他の産業でカバーした結果、全体としては0.7%のプラスとなったことも紹介しました。
つまり、福井県では、原発停止のマイナス影響を他の産業のプラスで実際にカバーしてきたということです。
これはすごいことだと思います。
以前、原発産業の特徴として、建設時も運転時も、利益の大半は県外に流出してしまうということを紹介しました(シリーズ6回目)。
今回は、原発以外の他の県内産業について、波及効果等を見てみたいと思います。
下のグラフは、原子力産業(電力生産)と、繊維や眼鏡など県を代表する他の産業との波及効果の比較です(↓)。